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スギ林に広葉樹をはじめ草木が豊かに生えているのが特徴のFSC認証林=2024年11月18日、宮城県南三陸町
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 宮城県南三陸町にある「南三陸FSC認証林」(約2471ヘクタール)が、2024年度前期、豊かな生物多様性が保全されている区域を国が認定する自然共生サイトに認定された。生物多様性に配慮したスギを中心とした森づくりが行われている。

 宮城県南三陸町は、東日本大震災の津波で町の中心部は壊滅的な被害を受けたが、山林はほとんどが残った。震災から復興し、町づくりをめざすうえで、分水嶺(ぶんすいれい)から海岸まで広がる良質なスギやアカマツなどの山林を、持続可能な形で活用したい。その思いが活動の原点にある。

 2015年、大規模に森林を所有する町、林業会社、慶応大、生産森林組合、管理を行う森林組合が南三陸森林管理協議会を立ち上げ、山林のFSC認証を取得した。FSC認証は持続可能な森林の活用・保全をめざして「適切な森林管理」を認証する国際的な仕組み。毎年、第三者認証機関の審査を受ける。認証にかかる年間約150万円の費用は山林所有者が負担している。

 認証を受けたスギ林は通常よ…

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